人間関係

癌と戦うサラリーマン -幸せの絶頂からの突然の宣告-

プロフィール

年齢:31歳
性別:男性
職業:食品メーカーの営業
趣味:娘と遊ぶこと

自分史

1993年、宮城県仙台市の穏やかな地方都市で、私は産声を上げました。父と母の一人っ子として、両親からの愛情を一身に受け、何不自由なく、のびのびと育ちました。振り返れば、幼少の頃は少し人見知りなところもありましたが、家の中では明るく活発な子供だったと記憶しています。近所の子供たちと日が暮れるまで駆け回る毎日。初めて家族で行った遊園地で、父の肩越しに見た景色は、今でも鮮やかに心に残っています。空を飛ぶような感覚、キャラクターショーの賑わい、甘いポップコーンの香り。あの時のワクワクした気持ちが、今の私の根っこにあるのかもしれません。両親からは常に「人に優しくしなさい」と教えられ、その言葉は、私の行動原理となっています。
サッカーに夢中になった少年時代
小学校に入学すると、私はサッカーという情熱的な出会いを果たします。ボールを追いかける楽しさ、チームメイトとの絆。休み時間も夢中で練習に打ち込み、負けず嫌いな性格に磨きがかかりました。勉強は少し苦手でしたが、仲間たちと一つの目標に向かって努力することの喜びを知りました。小学校のサッカーチームで初めて勝利を掴んだ時の感動は、今でも忘れられません。みんなで分かち合った喜びは、チームワークの大切さを教えてくれました。
中学校時代も、サッカー部での活動が中心でした。先輩や後輩との関わりを通して、上下関係や責任感を学び、人間関係の基本を築きました。友達との他愛ない会話や、将来の夢を語り合った時間は、私にとってかけがえのない宝物です。最後の夏の大会、目標としていた結果には届きませんでしたが、チーム一丸となって戦い抜いた日々は、私の人生における大きな糧となっています。試合後の仲間たちの涙と笑顔は、今も私の胸に深く刻まれています。
文武両道を目指した高校時代
高校では、文武両道を目指し、勉強とサッカー部活動に励みました。より専門的な指導を受ける中で、自分の限界に挑戦する喜びを知り、同時に、大学受験という目標に向けて、計画的に努力することの大切さを学びました。高校最後の文化祭で、サッカー部として仲間たちと模擬店を出店したことは、勉強や部活動とはまた違った達成感と、仲間との一体感を味わえる貴重な経験となりました。普段見ることのできないチームメイトの意外な一面を発見できたことも、楽しい思い出です。
知的好奇心と出会いに満ちた大学時代
国立大学文学部への進学は、私にとって新たな世界への扉を開くものでした。様々な文学作品に触れ、仲間たちと議論を重ねる中で、知的好奇心は大きく広がりました。また、サッカーサークルでは、競技としてのサッカーとは異なる、純粋に楽しむことを目的とした仲間たちと汗を流しました。さらに、アルバイトとして始めたサッカー教室のコーチの経験は、人に教えることの難しさと、成長を間近で見守る喜びを教えてくれました。文学部のゼミの仲間たちと訪れた卒業旅行は、各地の文学作品ゆかりの地を巡り、夜通し語り合った、忘れられない思い出です。かけがえのない友人たちとの絆は、今も私の心の支えとなっています。大学生活を通して、多様な価値観に触れることの重要性を学び、物事を多角的に捉える視点を養うことができました。
社会人として、そして夫として、父として
大学卒業後、私は食品メーカーに入社し、営業としてのキャリアをスタートさせました。慣れないことばかりで苦労も多かったですが、先輩や同僚の温かい指導を受けながら、一つ一つ仕事を覚えていきました。お客様との信頼関係を築くことの難しさ、そしてその重要性を肌で感じました。初めて大きな契約を結ぶことができた時の達成感は、今でも鮮明に覚えています。自分の仕事がお客様の役に立ったという実感は、何物にも代えがたい喜びでした。
社会人生活を送る中で、私は人生の伴侶と巡り合い、28歳で結婚しました。そして翌年、私たち夫婦にとってかけがえのない宝物である長女が誕生しました。小さな体で懸命に生きる娘の姿を見た時の感動は、今までの人生で経験したどんな喜びとも比べ物になりません。娘の誕生は、私にとって父親としての責任感を強く意識するきっかけとなり、この子のためにどんな困難にも立ち向かっていこうと心に誓いました。娘が初めて「パパ」と呼んでくれた時の感動は、今でも私の人生で一番の思い出です。
予期せぬ試練、そして家族の支え
30歳を迎えた頃、私は予期せぬ病、肺がんと診断されました。突然の宣告に戸惑い、不安に押しつぶされそうになる日々もありましたが、妻や娘、両親の支えが、私の心を支えてくれました。特に、幼い娘の笑顔は、私にとって何よりも生きる力となっています。病と闘う中で、家族の存在がどれほど大きな力になるかを痛感しています。
人生において、私が大切にしている価値観は「優しさ」と「感謝」です。幼い頃から両親に教えられてきた優しさは、私の行動の源であり続けています。そして、これまで私を支えてくれたすべての人たちへの感謝の気持ちを、常に忘れないように生きていきたいと思っています。私が憧れている人物は、父です。多くを語らずとも、その背中で家族を支え続ける父の姿は、私の目標です。いつか父のような、強く優しい人間になりたいと願っています。
病と向き合いながらも、私は前向きに生きていきたいと思っています。家族との時間を大切にし、一日一日を精一杯生きること。それが、今の私の願いです。

インタビュー

人生一番の成功はなんですか ?

人生で一番の成功と呼べるのは、やはり娘の誕生です。もちろん、仕事で大きな成果を上げた時の達成感も忘れがたいものですが、娘がこの世に生まれてきてくれたという奇跡、そしてその成長を近くで見守ることができているという喜びは、他の何にも代えられません。小さな命が懸命に生きようとする姿、日に日に成長していく姿を見ることは、私にとって何よりも大きな喜びであり、人生一番の成功だと感じています。

人生一番の成功から学んだことはなんですか ?

娘の誕生から学んだことは、「無条件の愛」の深さと、未来への希望です。見返りを求めることなく、ただ存在してくれるだけで愛おしいと思える存在があること。そして、その子の未来が無限に広がっているという希望を持つことは、私自身の生きる力になっています。また、小さな命を守り育てる責任の重さと、それに向き合う強さを学びました。

人生一番の失敗はなんですか ?

人生で一番の失敗と呼べるかは分かりませんが、もっと自分の健康を大切にしていれば良かったと後悔しています。仕事に夢中になるあまり、定期的な健康診断を怠ったり、体調の変化に気づかないふりをしたりしてしまった時期がありました。もちろん、過去を悔やんでも仕方のないことですが、あの時もっと自分の体を管理していれば、今こうして病と闘うことにはならなかったかもしれないと考えると、後悔の念に苛まれます。

人生一番の失敗から学んだことはなんですか ?

この経験から学んだことは、「健康は何よりも大切である」ということです。どんなに仕事で成功しても、どんなに大切な家族がいても、健康を損なってしまっては、その喜びを十分に味わうことができません。自分の体は、自分自身で管理しなければならないという当たり前のことを、病気になって初めて痛感しました。これからは、自分の体の声に耳を傾け、 定期的な健康診断を受けるようにしたいと思っています。

人生で一番大切にしている価値観はなにか ?

人生で一番大切にしている価値観は、「優しさ」です。

なぜそれを人生の価値観と考えましたか ?

幼い頃から両親に「人に優しくしなさい」と教えられてきました。その言葉は、私の心の奥底に深く根付いています。人が生きていく上で、喜びを分かち合ったり、困難な状況を乗り越えたりするためには、お互いを思いやり、支え合うことが不可欠だと考えています。優しさは、人間関係の要であり、社会全体を高める力を持つと信じています。また、病と闘う中で、家族や友人、医療従事者の方々の優しさに触れ、その温かさに何度も救われました。この経験を通して、優しさの持つ力を改めて実感し、私自身の人生において最も大切な価値観だと確信するに至りました。

人生で一番大切にしている価値観をもった具体的なエピソードはなんですか ?

娘がまだ幼い頃、公園で転んで大泣きしてしまった時のことです。私はすぐに駆け寄り、抱き上げて「大丈夫だよ、痛かったね」と声をかけました。すると、娘は私の胸に顔を埋めて、しばらくすると落ち着きを取り戻しました。その時、言葉だけでなく、時に抱きしめたりすることが子供にとってどれほど安心感を与えるものなのかを改めて実感しました。また、私が病気で落ち込んでいる時、娘が小さな手で私の手を握り、「パパ、大丈夫だよ」と一生懸命に励ましてくれることがあります。その純粋な優しさに触れるたびに、私は生きる力を与えられ、人を思いやる心の大切さを再認識させられます。

これからやりたい夢や目標はなんですか ?

これからやりたい夢は、娘の成長を近くで見守ることです。小学校、中学校、高校、そしてその先の人生においても、 娘の成長の瞬間を共有し、そばで支えていきたいと思っています。また、病気を克服し、家族みんなで旅行に行ったり、色々な場所に遊びに行ったりしたいです。そして、残された時間を大切に、家族のために、そして周りの人たちのために、できる限りのことをしていきたいと思っています。仕事においては、これまで培ってきた経験を活かし、後輩の育成に貢献したり、お客様に価値を提供できるような新しい企画に挑戦したりしたいと考えています。

読者へのメッセージみなさんへのメッセージ

人生は、決して平坦な道のりではありません。予期せぬ困難に直面することもあるでしょう。しかし、どんな時も、周りの人の優しさや温かさを忘れずにいてほしいと思います。そして、自分自身も、 他人に対して優しさを持ち続けること。それが、困難を乗り越え、豊かな人生を送るための力になると信じています。また、健康であることの幸せを感謝すること、そして自身の健康のケアを怠らないでください。日々の小さな幸せに感謝しながら、この瞬間を大切に生きていきましょう。

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