プロフィール
年齢:22歳
性別:男性
職業:動物園の職員
趣味:新種の昆虫を見つけるため、国内外を飛び回っている
自分史
第一章:木更津の自然の中で芽生えた情熱(0歳~12歳)
1998年、温暖な千葉県木更津市で、建設会社に勤める父と優しい母の間に、私は生を受けました。幼い頃から、家の周りの自然が遊び場でした。特に心を奪われたのは、力強く生きる昆虫たちの姿です。幼稚園の発表会で、将来の夢を「カブトムシ」と高らかに宣言したエピソードは、今となっては少し恥ずかしいけれど、あの頃の純粋な情熱を象徴していると思います。
小学校に入学してからも、私の昆虫熱は冷めることはありませんでした。休み時間になると、いつも校庭の片隅で虫を探し回る少年。周りの友達はボール遊びに夢中でしたが、私にとっての一番の宝探しは、土の中や草むらに隠れている小さな命を見つけることでした。
そんな幼少期の一番の思い出は、初めて自分の手で捕まえた大きなカブトムシとの出会いです。近所のおじさんに教えてもらった雑木林で、息を潜めて蜜の匂いを辿り、ついに見つけた漆黒の王様。あの時のドキドキと、手に伝わるずっしりとした重みは、今でも鮮明に蘇ります。この経験を通して、「好き」という気持ちを大切にすること、そして情熱を持って追求することの喜びを、幼いながらに学んだのだと思います。
小学生時代には、父との初めての昆虫採集旅行も忘れられない思い出です。木更津を離れ、山奥のキャンプ場で夜通しライトトラップを仕掛け、朝を迎えた時の感動は筆舌に尽くしがたいものでした。見たこともない美しい昆虫たちが光に集まっている光景は、まさに夢のようでした。この時、自然の奥深さと多様性に触れ、私の探求心はさらに掻き立てられました。
第二章:静かに燃やした情熱と仲間との出会い(13歳~18歳)
中学生になると、少し周りの目を気にするようになりました。相変わらず昆虫のことは大好きでしたが、それを大っぴらに話すのは少し気恥ずかしく、心の中でひっそりと楽しむように。しかし、理科の授業で昆虫の生態について学ぶ時間は、誰よりも真剣でした。図書室で海外の珍しい昆虫図鑑を読みふけり、いつか自分の目で見てみたいという憧れを募らせていました。この頃、内に秘めた情熱は、いつか必ず自分の道を照らしてくれると信じるようになりました。
高校生になり、将来の進路を考える中で、動植物に関わる仕事がしたいという思いが明確になりました。生物の授業に一層力を入れ、昆虫好きの友達もでき、一緒に採集に行ったり、情報を交換したりする時間が何よりも楽しみでした。同じ趣味を持つ仲間と出会えたことは、私にとって大きな喜びであり、互いに刺激し合える存在の大切さを学びました。二人で少し遠くまで採集に行った際、初めて見る昆虫を見つけた時の感動は、共有することでさらに大きな喜びになったことを覚えています。
第三章:専門知識を深め、夢への階段を上る(19歳~22歳)
念願の地方国立大学に入学し、生物学を専門的に学ぶ日々は、まさに夢が叶った時間でした。研究室にこもり、顕微鏡を覗いたり、専門書を読み込んだりする時間は、知的好奇心を満たす喜びで溢れていました。特に昆虫の研究に没頭する一方で、植物や動物など、様々な分野の知識に触れることで、視野が大きく広がりました。
大学時代の一番の思い出は、研究室の仲間と参加した屋久島のフィールドワークです。手つかずの自然の中で、今まで図鑑でしか見たことのないような珍しい動植物を観察できたことは、まさに感動体験でした。夜空を見上げれば、満天の星が広がり、自然の雄大さを肌で感じることができました。この経験を通して、机の上での学びだけでなく、実際に現場に足を運び、自分の目で見て、肌で感じる経験の重要性を改めて認識しました。
そして現在、私は動物園の職員として、大好きな動植物たちと日々触れ合っています。動物たちの世話や展示の準備など、覚えることはたくさんありますが、来園者の方々が生き生きとした動植物の姿を見て、何かを感じ取ってくれる瞬間に、大きなやりがいを感じています。
社会人として働き始めて間もないですが、早くも忘れられない思い出があります。初めて担当した昆虫の展示で、来園者の方々が興味深そうに観察し、「こんなに綺麗なんですね」「初めて見ました!」と声をかけてくれた時、自分の仕事が誰かの心を動かすことができるのだと実感し、胸が熱くなりました。
幼い頃からの夢である「新種の昆虫を発見する」という目標も、諦めていません。動物園での仕事の傍ら、国内外の昆虫に関する情報を収集し、機会があれば積極的に海外調査にも参加しています。困難なことも多いですが、持ち前のまっすぐな性格と、昆虫への変わらぬ情熱を胸に、夢の実現に向けて一歩ずつ進んでいきたいと思っています。
私の人生において、一番大切な価値観は、「好き」という純粋な気持ちと、それに向かって努力し続ける情熱です。この二つがあれば、どんな壁にも立ち向かい、豊かな人生を送ることができると信じています。そして、常に自然への畏敬の念を持ち、地球上の多様な生命を大切にする心を忘れずにいたいです。
いつか、昆虫学者ファーブルのように、昆虫の魅力を多くの人に伝えられるような存在になることが、私の密かな夢です。彼の情熱と観察眼、そしてそれを綴る魅力的な文章は、私にとって永遠の憧れです。これからも、大好きな虫たちと共に、驚きと発見に満ちた人生を歩んでいきたいと思っています。
インタビュー
人生一番の成功はなんですか ?
やはり、長年の夢だった新種の昆虫を発見できたことですね。東南アジアの熱帯雨林で、それまで図鑑にも載っていなかった、全く新しい模様を持つ美しいチョウを見つけた瞬間は、まさに感無量でした。何年も追い求めてきた夢が、現実になったのですから。研究者として、これ以上の喜びはありません。
人生一番の成功から学んだことはなんですか ?
諦めずに情熱を持ち続ければ、必ず道は開けるということです。新種発見までの道のりは決して平坦ではありませんでした。何度も調査に行き、空振りに終わることもありましたし、資金面での苦労もありました。それでも、「いつか必ず見つけてやる」という強い気持ちを持ち続け、地道に努力を重ねたからこそ、あの瞬間に立ち会えたのだと思います。夢を追いかける上で、情熱と継続の大切さを改めて実感しました。
人生一番の失敗はなんですか ?
大学生時代に、研究に没頭するあまり、周りの友人たちの気持ちに気づけず、少し孤立してしまった時期があったことです。自分の興味のあることばかりに目を向け、もっと周りの人とのコミュニケーションを大切にすればよかったと後悔しています。
人生一番の失敗から学んだことはなんですか ?
どんなに自分の好きなこと、熱中できることがあっても、周りの人との繋がりや、相手の気持ちを理解しようとすることの大切さです。一人でできることには限界がありますし、喜びも分かち合える仲間がいることの素晴らしさを痛感しました。それ以来、常に周りの人への感謝の気持ちを忘れず、コミュニケーションを大切にするように心がけています。
人生で一番大切にしている価値観はなにか ?
「好き」という純粋な気持ちと、それに向かって真摯に取り組む探求心です。
なぜそれを人生の価値観と考えましたか ?
幼い頃から昆虫が好きという気持ちが、私の人生の原動力となってきました。カブトムシへの憧れから始まり、新種発見という夢を持つまで、常に「好き」という気持ちが私を突き動かしてきたのです。そして、その「好き」という気持ちを追求するために、様々なことを学び、努力してきました。探求心があるからこそ、新しい発見があり、成長できると信じています。この二つは、私にとって人生を豊かにしてくれる、なくてはならないものだと感じています。
人生で一番大切にしている価値観をもった具体的なエピソードはなんですか ?
やはり、新種の昆虫を発見した時のことです。「こんな昆虫がいるはずだ」という強い予感と、それを裏付けるための地道な調査、そして何よりも「この目で見てみたい」という強い探求心があったからこそ、あの奇跡的な出会いを引き寄せることができたのだと思います。もし、あの時「どうせ無理だろう」と諦めていたら、あの感動を味わうことはできなかったでしょう。「好き」という気持ちと探求心が、不可能を可能にする力を持つと、身をもって体験しました。
これからやりたい夢や目標はなんですか ?
これからも新種の昆虫発見に挑戦し続けたいです。まだ見ぬ美しい昆虫、生態が謎に包まれた昆虫は、世界中にたくさんいるはずです。それらを発見し、その魅力を多くの人に伝えたいと思っています。また、動物園での仕事を通して、絶滅の危機に瀕している昆虫たちの保護活動にも力を入れていきたいです。子供たちが未来でも豊かな自然の中で、様々な昆虫と出会えるように、微力ながら貢献していきたいと考えています。そして、いつか自分の発見した昆虫の名前を、自分の名前の一部にしたいという、ちょっとした夢もあります(笑)。
読者へのメッセージみなさんへのメッセージ
もし、今、何か夢中になれることがあるのなら、それを大切にしてください。「好き」という気持ちは、人生を豊かにする原動力になります。そして、その気持ちを追求するために、恐れずに一歩踏み出してみてください。たとえ失敗したとしても、そこから学ぶことは必ずあります。情熱と探求心を持ち続ければ、きっと素晴らしい未来が待っていると信じています。私も、これからも大好きな昆虫たちと共に、驚きと発見に満ちた人生を歩んでいきたいと思います。皆さんも、それぞれの「好き」を大切に、自分らしい道を歩んでいってください。