人間関係

焼きたての香りに包まれる -自衛官からパン屋になる物語-

プロフィール

年齢:30歳
性別:男性
職業:自衛隊を辞めて、パン屋のオーナー
趣味:サバゲー

自分史

愛知県の北西部、のどかな田園風景が広がる小牧市で、私は産声を上げました。父、母、そして二つ年上の兄。四人家族の次男として、賑やかながらも穏やかな家庭で育ちました。幼い頃から、兄は私にとって一番の遊び相手でした。近所の野山を駆け回り、虫取りに夢中になったり、小川で小さな魚を追いかけたり。自然の中で過ごした日々は、私の好奇心と探究心を育んでくれました。特に、兄と二人で裏山を探検した時のドキドキ感は、今でも鮮明に覚えています。秘密の場所を見つけた時の喜びは、何物にも代えがたい宝物です。この頃の経験から、困難なことにも根気強く向き合うことの大切さを学んだように思います。
小学校に入ると、行動範囲も広がり、友達と遊ぶ楽しさを知りました。一方で、真面目な性格は変わらず、宿題はきちんとこなす少年でした。小学校で始めた空手は、私にとって大きな転機となりました。厳しい稽古を通して、心身ともに鍛えられ、礼儀作法も身につきました。運動会のリレーで選手に選ばれ、チームで目標に向かって努力し、喜びを分かち合った経験は、今でも私の心に残る大切な思い出です。この経験から、一人で成し遂げるだけでなく、仲間と協力することの喜びを知りました。
中学校時代は、少しばかり反抗期もあったかもしれませんが、基本的には勉強にも部活動にも真面目に取り組む日々でした。空手部では、県大会出場という目標を掲げ、仲間たちと切磋琢磨しました。結果は残念ながら予選敗退でしたが、目標に向かって努力した日々は、私にとってかけがえのない財産となりました。この経験を通して、目標を定め、それに向かって粘り強く努力することの重要性を学びました。
高校生になると、将来のことを具体的に考えるようになりました。特に理系の科目に興味を持ち、大学は理工学部に進むことを決めました。学業に励む一方で、初めてアルバイトを経験したのが、近所のパン屋さんでした。店内に漂う焼きたてのパンの香りに包まれながら働く時間は、私にとって新鮮で、何よりも楽しいものでした。お客さんの笑顔を見るたびに、心が温かくなり、「いつか自分もこんな風に人を幸せにするパンを作りたい」という夢を抱くようになりました。
大学では、理工学部の専門知識を深める一方で、空手部にも所属し、後輩の指導にも携わりました。研究室では、仲間たちと夜遅くまで実験に取り組むこともあり、困難に立ち向かい、解決していく過程に面白さを感じました。この経験から、論理的に思考する力と、常に探求心を持って物事に取り組む姿勢を学びました。
大学卒業後、私は自衛官の道を選びました。規律正しい生活の中で、責任感と精神力が鍛えられ、かけがえのない同期にも出会うことができました。初めて部隊に配属され、任務を遂行した時の達成感は、今でも忘れられません。しかし、高校時代のパン屋でのアルバイト経験が忘れられず、「自分の本当にやりたいことはパン作りだ」という思いが募っていきました。
そして、数年の自衛官生活を経て、私は思い切って退職し、パン職人の道へと転身することを決意しました。周囲の反対もありましたが、「自分の信じた道を歩みたい」という強い気持ちが、私の背中を押しました。パン屋での修業時代は決して楽ではありませんでしたが、高校時代のアルバイト経験があったからこそ、パン作りの楽しさを改めて感じることができました。
そしてついに、長年の夢だった自分のパン屋を名古屋にオープンすることができました。開店当日、お店に灯りがともり、焼き立てのパンの香りが広がった時の感動は、今でも鮮明に覚えています。たくさんのお客様が私のパンを手に取ってくださり、笑顔を見せてくれることが、何よりも私の喜びです。
振り返ってみると、私の人生は、常に新しいことに挑戦する連続だったように思います。幼い頃の自然体験、空手道での鍛錬、初めてのアルバイト、そして自衛官としての経験。それらのすべてが、今の私を形作っています。これからも、感謝の気持ちを忘れずに、美味しいパンを通じて、たくさんの人を笑顔にしていけるよう、日々精進していきたいと思っています。私にとって、人生で一番大切な価値観は、「挑戦すること」と「感謝の気持ちを持つこと」。この二つを胸に、これからも自分の道を力強く歩んでいきたいです。そして、高校時代のパン屋の店長のように、温かい人柄で、たくさんの人に愛されるパン職人になることが、私の変わらぬ夢です。

インタビュー

人生一番の成功はなんですか ?

人生で一番の成功ですか…やはり、自分のパン屋をオープンできたことですね。高校生の頃からの夢でしたから、その夢を自分の手で形にできた時の達成感は、何にも代えがたいです。もちろん、開店までには本当にたくさんの苦労がありました。資金繰り、物件探し、メニュー開発、集客…一つ一つが試練でしたが、それを乗り越えて、自分のお店を持つことができたことは、本当に大きな成功だと感じています。

人生一番の成功から学んだことはなんですか ?

一番学んだことは、「強い意志と行動力があれば、夢は必ず叶う」ということです。周りの人に反対されたり、不安になったりすることもたくさんありましたが、「絶対にパン屋になるんだ」という強い気持ちを持ち続け、諦めずに一つ一つ行動してきたからこそ、今の自分があると思っています。あとは、準備の大切さですね。見切り発車ではなく、しっかりと計画を立て、周りの人の意見にも耳を傾けながら進むことの重要性を痛感しました。

人生一番の失敗はなんですか ?

人生一番の失敗…そうですね、自衛隊を辞める時、もっと周りの人に相談すればよかったかもしれないと思っています。もちろん、自分の決断に後悔はしていませんが、家族や友人、お世話になった上司にもっと丁寧に自分の思いを伝え、理解を得る努力をすべきだったかもしれません。自分の気持ちばかりが先走って、少し強引な辞め方をしてしまったと反省しています。

人生一番の失敗から学んだことはなんですか ?

この失敗から学んだことは、「自分の考えをしっかりと持ちつつも、周りの意見に耳を傾けることの大切さ」です。独りよがりにならず、様々な角度から物事を考えることで、より良い決断ができるはずです。また、大切な人たちとのコミュニケーションは、どんな時も丁寧に、誠意を持って行うべきだと痛感しました。

人生で一番大切にしている価値観はなにか ?

人生で一番大切にしている価値観は、「挑戦」ですね。

なぜそれを人生の価値観と考えましたか ?

振り返ってみると、私の人生は常に新しいことへの挑戦の連続でした。自然の中で遊んだ幼少期、空手道、パン屋でのアルバイト、自衛隊、そして自分のパン屋の開店。それぞれの経験が、私を成長させてくれました。立ち止まって現状維持をするよりも、常に新しいことに挑戦し、自分の可能性を広げていくことこそが、人生を豊かにする秘訣だと信じています。失敗を恐れずに挑戦することで、新しい発見や喜び、そして成長が生まれると実感してきたからです。

人生で一番大切にしている価値観をもった具体的なエピソードはなんですか ?

やはり、自衛隊を辞めてパン屋になることを決意した時のことです。安定した職を捨てることには大きな不安があり、家族や友人からも反対されました。それでも、「本当にやりたいことをして生きたい」という強い思いが私にはありました。周りの反対を押し切ってパン職人の道を選んだことは、当時の私にとって最大の挑戦でした。その結果、今こうして自分の店を持ち、毎日充実した日々を送ることができています。あの時、挑戦する勇気を持てたからこそ、今の自分があると思っています。

これからやりたい夢や目標はなんですか ?

これからやりたい夢はたくさんあります。まずは、自分のお店を地域の方々にとってなくてはならない存在にすること。美味しいパンを提供するのはもちろんのこと、お客様との温かい繋がりを大切にし、気軽に立ち寄れるような場所にしたいです。将来的には、もっと多くの方に自分のパンを届けられるように、店舗を拡大したり、オンライン販売を始めたりすることも考えています。そして、いつか自分の経験を活かして、若いパン職人を育成するような活動もできたら嬉しいですね。

読者へのメッセージみなさんへのメッセージ

もし今、何かやりたいことがあるけれど、一歩踏み出せずにいる方がいるなら、ぜひ勇気を出して挑戦してみてください。失敗を恐れる気持ちもあるかもしれませんが、挑戦しなければ何も始まりません。たとえ失敗したとしても、そこから学ぶことは必ずありますし、その経験はきっとあなたの糧になるはずです。自分の心に正直に、後悔のない人生を送ってください。そして、もし私のパンを見かけることがあれば、ぜひ一度味わってみてください。皆さんの日常に、少しでも笑顔と幸せを届けられたら、これほど嬉しいことはありません。

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