プロフィール
年齢:29歳
性別:女性
職業:保護犬活動
趣味:食べること
自分史
高知県の豊かな自然に囲まれた田舎町で、私は次女として生を受けました。父、母、そして姉のいる温かい家庭で育ちましたが、私の幼少期を語る上で欠かせないのは、常に身近にいた動物たちの存在です。三匹の犬たち、そしてインコをはじめとする様々な生き物たちに囲まれた生活は、私の人格形成に大きな影響を与えました。
幼い頃の私は、今思えば内気で、姉の影に隠れているような子供でした。しかし、動物たちと触れ合う時間は別格でした。言葉を持たない彼らに、私は一方的に話しかけ、その温もりや純粋さに心惹かれていました。初めて我が家に子犬がやってきた日の感動は、今でも鮮明に覚えています。小さな体で震える子犬を家族みんなで囲み、これから始まる共同生活に胸を躍らせたあの瞬間が、私の原点と言えるでしょう。幼いながらに、動物たちの懸命に生きる姿を見て、私も精一杯生きようと感じていました。彼らの純粋さや、人間に寄り添う優しさは、今の私の活動の根幹を成しています。
小学校に入学してからは、少しずつ積極性も芽生えましたが、依然として静かに本を読むことを好む子供でした。しかし、毎日欠かさなかった犬の散歩を通して、近所の方々と犬の話をするのは好きでした。忘れられない思い出は、小学校の帰り道に怪我をした野良猫を見つけたことです。どうすれば良いかわからず家に連れ帰り、両親に助けを求めた結果、その猫は手当てを受け、新しい飼い主さんの元へと旅立ちました。この経験を通して、小さな命を救う喜びと、困っている動物を見過ごせない気持ちが、私の心に深く刻まれました。
中学生時代は、少し反抗期もあったかもしれませんが、根は真面目だったと思います。相変わらず動物好きで、図書室ではいつも動物に関する本を読んでいました。友達と騒ぐよりも、一人で静かに過ごす時間を大切にしていました。この頃、長年共に過ごした一番年上の犬との別れがありました。家族の一員を失ったような深い悲しみの中で、命あるものとの別れは避けられないけれど、共に過ごした時間はかけがえのない宝物だと痛感しました。この経験は、今一緒にいる時間を大切にし、感謝の気持ちを忘れないという、私の大切な価値観へと繋がっています。
高校生になると、進路が明確になり、目標に向かって努力するようになりました。短大でペットについて学びたいという思いが強く、アルバイトでペットショップの門を叩きました。実際に動物たちと触れ合う中で、彼らの愛らしさはもちろん、その命を守る責任の重さも学びました。店長さんや先輩スタッフの方々の優しさにも触れ、社会に出るための良い準備期間となりました。このアルバイト経験が、将来保護犬の活動をしたいという夢をより一層強くしました。
地元の短大では、同じように動物を愛する仲間たちと出会い、充実した日々を送りました。積極的に授業に参加し、実習にも熱心に取り組みました。人見知りな性格も少しずつ克服できたように思います。短大時代の一番の思い出は、動物保護施設での実習です。様々な理由で飼い主を失った犬たちの現実を目の当たりにし、大きな衝撃を受けました。同時に、「私に何かできることはないか」という強い思いが湧き上がりました。この時の経験が、私の人生の方向性を決定づけたと言っても過言ではありません。
短大卒業後、しばらくはペットショップで働きながら、保護犬に関する情報を集めたり、ボランティア活動に参加したりと、保護犬活動を始めるための準備を進めていました。そんな中、初めて保護犬を自宅に迎え入れた時の感動は、今でも忘れられません。痩せ細り、怯えていたその犬が、時間をかけて少しずつ心を開いてくれるようになった時の喜びは、何にも代えがたいものでした。自分の行動が、一つの命を救うことができるのだと、改めて実感しました。この経験を通して、保護犬たちが抱える心の傷や過去の経験の重さを知り、根気強く愛情を注ぐこと、そして一匹一匹の個性を尊重することの大切さを学びました。
そして現在、古民家をリノベーションし、保護犬たちと生活を共にしています。犬たちの健康管理はもちろん、里親探しや啓発活動など、やるべきことは山積みですが、犬たちの笑顔は何よりの励みです。保護していた犬が無事に新しい家族を見つけ、巣立っていく瞬間は、この活動をしていて本当に良かったと思える瞬間です。先日、長らく心を閉ざしていた犬が、優しい里親さんのもとで楽しそうに遊んでいる動画を見た時は、涙が止まりませんでした。
私の人生において、一番大切な価値観は、命あるものを大切にすること、そして困っている存在を見過ごせないということです。これからも、一匹でも多くの犬が幸せな家庭で暮らせるように、地道な活動を続けていきたいと思っています。いつか、私が憧れている動物保護活動家の方のように、多くの命を救える存在になることが、私の夢です。動物たちとの出会いと別れを通して学んだすべてのことが、今の私を形作っています。これからも、動物たちへの愛情と感謝の気持ちを胸に、歩んでいきたいと思います。
インタビュー
人生一番の成功はなんですか ?
人生で一番の成功と呼べるのは、やはりこの古民家をリノベーションして、保護犬たちと安心して暮らせる場所を作ることができたことだと思います。資金も知識も十分ではなかった中、多くの方の助けを借りながら、少しずつ理想の形に近づけていくことができました。何よりも、ここで保護した犬たちが穏やかな表情で過ごし、新しい家族を見つけて巣立っていく姿を見ることが、私にとって最大の喜びであり、成功だと感じています。
人生一番の成功から学んだことはなんですか ?
この成功から学んだことは、困難に立ち向かう勇気と、周りの人への感謝の気持ちの大切さです。一人では到底成し遂げられなかったことを、多くの方の温かい支援があったからこそ実現できました。諦めずに努力し続けること、そして支えてくれる人々への感謝を忘れないことが、目標達成への大きな力になるのだと実感しました。
人生一番の失敗はなんですか ?
この経験から学んだことは、相手の気持ちを尊重し、焦らずじっくりと向き合うことの重要性です。特に、過去に辛い経験をした動物に対しては、一方的な愛情ではなく、彼らのペースに合わせた寄り添い方が大切だと痛感しました。この学びは、今の保護活動において、犬たちと接する上での大切な指針となっています。
人生一番の失敗から学んだことはなんですか ?
この失敗から学んだことは、「自分の考えをしっかりと持ちつつも、周りの意見に耳を傾けることの大切さ」です。独りよがりにならず、様々な角度から物事を考えることで、より良い決断ができるはずです。また、大切な人たちとのコミュニケーションは、どんな時も丁寧に、誠意を持って行うべきだと痛感しました。
人生で一番大切にしている価値観はなにか ?
人生で一番大切にしている価値観は、「全ての命に尊厳がある」ということです。
なぜそれを人生の価値観と考えましたか ?
幼い頃から動物たちと共に過ごし、彼らの純粋さや懸命に生きる姿を間近で見てきました。言葉を話せない彼らも、私たち人間と同じように感情を持ち、生きる権利があると感じています。保護活動を通して、人間による身勝手な理由で傷つき、命の危機に瀕している動物たちを目の当たりにする中で、この思いはより一層強くなりました。どんな命も粗末に扱われるべきではない、という強い信念が、私の行動の মূলとなっています。
人生で一番大切にしている価値観をもった具体的なエピソードはなんですか ?
以前、虐待を受けて心身ともに深く傷ついた状態で保護された犬がいました。人間を全く信用せず、近づこうとすると激しく吠え、食事もなかなか取ってくれませんでした。周りの人からは「もう難しいかもしれない」という声も聞こえましたが、私はその子の目をじっと見つめ、根気強く優しく語りかけ、決して諦めませんでした。何ヶ月もの時間をかけ、少しずつ、本当に少しずつですが、その子は私に心を開いてくれるようになりました。そして、最終的には新しい優しい家族を見つけ、幸せに暮らしています。この経験を通して、どんなに傷ついた命でも、愛情と時間があれば必ず輝きを取り戻せる、全ての命には生きる尊さがある、と改めて深く感じました。
これからやりたい夢や目標はなんですか ?
これからやりたい夢は、もっと多くの人に保護犬の存在を知ってもらい、保護犬を迎えるという選択肢が当たり前になるような社会を作ることです。そのためにも、この古民家をさらに充実させ、地域の方々との交流の場としたり、保護犬に関するイベントを開催したりしたいと考えています。また、将来的には、動物福祉に関する知識を深め、より専門的なサポートができるような人材育成にも関わっていきたいです。一匹でも多くの犬が、温かい家庭で幸せな一生を送れるように、微力ながらも貢献していきたいと思っています。
読者へのメッセージみなさんへのメッセージ
もし、この物語を読んでくださった方がいるなら、心から感謝申し上げます。私たちの社会には、様々な理由で助けを必要としている動物たちがたくさんいます。彼らはただ、温かい家庭と、安心して眠れる場所、そして愛情を求めています。もし、少しでも興味を持っていただけたら、保護犬の情報を調べてみたり、ボランティアに参加してみたりと、できることからで構いませんので、彼らのために何か行動を起こしていただけると嬉しいです。一匹の小さな命を救うことが、誰かの心を温かく灯すことに繋がると信じています。そして、私たち人間と動物たちが、互いに尊重し合い、共に幸せに暮らせる社会を、一緒に作っていけたらと願っています。