プロフィール
年齢:27歳
性別:女性
職業:元地方銀行→オーストラリアのカフェ
趣味:現地スーパー巡り、映画視聴
自分史
私は福岡県北九州市の、潮の香りが漂う港町で生まれ育ちました。几帳面で公務員の父、明るくおしゃべりな専業主婦の母、そして二人のしっかり者の姉たち。私は三姉妹の末っ子として、少し自由奔放に、けれどのびのびとした環境で育ちました。周囲と比べられることも多かったけれど、それが逆に「私は私でいたい」という小さな反発心を育ててくれたように思います。
幼い頃から私は好奇心の塊でした。空を泳ぐ凧を追いかけてはしゃいだあの日の感覚は、今でも胸の奥に残っています。小学校に上がると、ますますその性格に拍車がかかり、友達と遊び、笑い、時にはルールからはみ出して怒られることも。でもそんな日々のなかで、人とのつながりの温かさや、助け合うことの大切さを自然と学んでいきました。
中学校では、英語のスピーチコンテストが私の転機になりました。最初は自信がなかったけれど、一歩踏み出してみれば、伝える喜びや、言葉を越えるコミュニケーションの力に気づけたのです。高校では、自分の将来について真剣に考え始めるようになり、「安定」よりも「自分らしくいられる生き方」に惹かれるようになっていきました。
大学では、英語ディスカッションクラブに所属しながら、カフェでのアルバイトや英会話教室の受付スタッフとして働きました。自由な空気のなかで、旅や出会いに心を動かされることが増えていきました。バックパックひとつで出かけた東南アジアの旅では、地図もろくに読めないまま現地の人に助けられ、文化の違いに戸惑いながらも、未知の世界に飛び込むことの価値を実感しました。
そんな私も、卒業後は地元の地方銀行に就職しました。窓口担当として、お客様に安心してもらえるように丁寧な対応を心がける日々。最初は震える手で通帳を受け取り、ぎこちない笑顔で対応していた私も、少しずつ信頼を得られるようになっていきました。でも、どこか胸の奥にある「もっと広い世界を見てみたい」という想いは消えることはありませんでした。
ある日、ふと思いました。「今ならまだ間に合うかもしれない」。そして、気づけば退職届を出し、数ヶ月後にはオーストラリアの地を踏んでいました。思いつきに近い決断でしたが、不思議と迷いはありませんでした。最初は片言の英語しか話せず、注文を間違えてしまうこともありましたが、それでもお客さんが笑顔で返してくれるたびに「ここに来てよかった」と思えました。
今は語学学校に通いながら、海辺のカフェでバリスタとして働いています。現地のスーパーをめぐったり、映画を英語で観たりしながら、日々のなかに学びと発見があります。ホームシックになる日もあるけれど、いつも応援してくれる母の言葉が、私の背中を押してくれます。
私にとって人生とは、「動きながら考える」旅のようなもの。慎重さに欠けると言われることもあるけれど、そのおかげで今の私があるのだと、自信を持って言えます。そしていつか、私のように異国で挑戦する人を支えられる仕事がしたい。留学生支援の道を目指して、今日も私は、自分のペースで一歩ずつ進んでいます。
インタビュー
人生一番の成功はなんですか ?
思いつきに近い勢いで地元の銀行を辞めて、ワーキングホリデーでオーストラリアに飛び出したことです。安定した職を手放すのは怖かったけれど、自分の「行ってみたい」という直感を信じたことで、新しい人生の扉が開けました。
人生一番の成功から学んだことはなんですか ?
「行動しなければ、何も始まらない」ということです。周りの反応や失敗への不安にとらわれるより、自分の気持ちに正直に動いたときこそ、本当の意味で人生が前に進むと気づきました。
人生一番の失敗はなんですか ?
ワーキングホリデーを始めたばかりの頃、英語に自信がなくて、職場のオーダーを何度も聞き間違えたり、お客さんを怒らせてしまったことです。「もっと準備してくればよかった」と本気で落ち込みました。
人生一番の失敗から学んだことはなんですか ?
完璧じゃなくてもいい、自分なりのやり方で前に進めばいい、ということです。失敗のたびに謝って、伝えようと努力する姿勢こそが、信頼を生むのだと学びました。だから今では、「間違えること=学ぶこと」だと思っています。
人生で一番大切にしている価値観はなにか ?
「動きながら考える」ことです。準備に時間をかけすぎてチャンスを逃すより、まず一歩踏み出すことで見えてくるものがあると信じています。
なぜそれを人生の価値観と考えましたか ?
これまでの人生を振り返ると、いつも大きな転機は“行動”から始まっていました。銀行への就職も、退職も、オーストラリアへの渡航も、最初は全部不安だらけ。でも、動いてみると必ず人との出会いや成長が待っていたからです。
人生で一番大切にしている価値観をもった具体的なエピソードはなんですか ?
まさに、銀行を辞めたときのことです。周囲からは「もったいない」「よく決断できたね」と言われました。でも私にとっては、あのときの行動がすべての始まりでした。今こうして、異国の地で働き、生活し、自分の足で立っているのは、あの“思いつきの一歩”があったからだと断言できます。
これからやりたい夢や目標はなんですか ?
将来は、日本に戻って留学生のサポートをする仕事がしたいです。自分が異国で感じた不安や喜びを知っているからこそ、誰かの心に寄り添える存在になりたい。語学力ももっと磨いて、多文化の橋渡しができる人になりたいと思っています。
読者へのメッセージみなさんへのメッセージ
「ちょっと気になる」「なんか惹かれる」と思うことがあったら、それはきっとあなたの中の“やってみたい”の種です。失敗してもいい、間違えてもいい。それより、自分の気持ちに正直に、まずは一歩踏み出してみてください。人生は、予定外の選択から思いがけない景色を見せてくれるものだと思います。私もまだまだ旅の途中。一緒に、自分らしい道を探していきましょう。