人間関係

アジアから日本へ -父親の死によって夢は夢へ-

プロフィール

年齢:18歳
性別:男性
職業:自動車整備工場
趣味:動物園に行くこと

自分史

第一章:ミャンマーの温かい日々
私は18年前、ミャンマーで7人兄弟の長男として生まれました。私たちの家は裕福ではありませんでしたが、貧しいというわけでもなく、家族の愛情に包まれた穏やかな毎日を送っていました。幼い頃から動物が大好きで、庭で虫を追いかけたり、近所の犬や猫に話しかけたりするのが何よりも楽しみでした。私の性格は、昔からまっすぐだと周りの人によく言われます。嘘をついたり、ごまかしたりすることが苦手で、正直であることが私の信条です。幼少期の一番の思い出は、家族みんなで近くの山へピクニックに行ったことです。母が作ってくれたお弁当の温かい味、山で初めて見た野生のリスの愛らしさ、そして兄弟たちと駆け回って遊んだ時間は、今でも鮮やかに心に残っています。この経験を通して、生き物を大切にすること、そして自然の美しさに触れる喜びを知りました。
第二章:動物好きの少年時代
小学生になっても、私の動物好きは変わりませんでした。学校の帰り道で怪我をしていた子犬を見つけ、家に連れて帰り、家族みんなで手当てをした経験は、今でも心温まる思い出です。小さな命を救えた喜びは、困っている人や動物を見たら、見て見ぬふりをせずに助けたいという強い気持ちを育みました。中学生時代は、家事の手伝いも増え、部活動をする時間はありませんでしたが、図書館で動物に関する本を読むのが何よりの楽しみでした。近所の農家のおじさんの牛の世話を少し手伝わせてもらった経験は、大きな動物の温かさや力強さを肌で感じることができ、貴重な体験となりました。この頃から、漠然とですが、いつか動物に関わる仕事をしたいという夢を抱き始めたのです。
第三章:岐路に立った高校時代
高校生になり、将来について真剣に考えるようになりました。動物が好きという気持ちは変わらなかったのですが、家計のことを考えると、その夢を追いかけることは難しいかもしれないと感じ始めていました。それでも、心のどこかで諦めきれない思いを抱えていました。高校生活で一番印象に残っているのは、文化祭でクラスのみんなと協力して一つの目標を達成したことです。準備期間は大変でしたが、みんなで力を合わせることで大きな喜びを得られることを学びました。この経験は、困難な状況でも諦めずに努力することの大切さを教えてくれ、今の私の支えとなっています。
第四章:父の突然の死、そして決意
昨年、私の人生は予期せぬ出来事に大きく揺さぶられました。父が交通事故で突然亡くなってしまったのです。7人兄弟の長男である私には、残された母と6人の弟妹たちの生活を支えるという重い責任がのしかかりました。少しでも多くの収入を得るために、私は日本へ働きに行くことを決意しました。日本語も話せず、日本の文化も分からないという大きな不安がありましたが、家族のためならどんな困難にも立ち向かえると信じていました。
第五章:異国の地での奮闘
日本に到着し、愛知県の自動車整備工場で働き始めましたが、言葉の壁、文化の違い、そして初めての仕事の厳しさに戸惑う毎日でした。先輩たちの話す日本語はほとんど理解できず、仕事の内容を覚えるのにも苦労しました。それでも、故郷に残してきた家族の顔を思い浮かべると、どんな困難にも立ち向かわなければならないという強い気持ちが湧いてきました。不器用ながらも、先輩たちに積極的に質問したり、仕事が終わった後に日本語の勉強をしたりと、必死に努力を続けました。日本での数少ない楽しみは、動物園に行くことです。様々な動物たちを眺めていると、故郷の自然を思い出し、心が安らぎます。
第六章:未来への希望
日本での生活はまだ始まったばかりですが、少しずつ日本の文化や言葉に慣れてきました。初めて自分で稼いだお金で家族に送金できた時の喜びは、今でも忘れられません。私の人生において一番の思い出は、父がまだ生きていた頃、家族みんなで行ったミャンマーの海の夕焼けです。あの時の温かい雰囲気と父の笑顔は、私の心の奥深くに刻まれています。私が大切にしている価値観は、家族を大切にすること、そして正直であることです。将来の夢は、いつか動物に関わる仕事に就き、動物たちの役に立つことです。今はまだ遠い道のりかもしれませんが、日本での経験を活かし、少しずつでもその夢に近づけるように努力していきたいと思っています。そして、いつか自分の稼ぎで家族を日本に呼び寄せ、一緒に暮らすことが、今の私の最大の願いです。
人生を振り返ると、父との思い出、特に家族みんなで行った海での夕焼けは、私にとってかけがえのない宝物です。父の笑顔と、あの時の温かい空気は、今でも私の心の支えとなっています。
私が人生において大切にしている価値観は、家族を大切にすること、そして正直であることです。父の死を通して、家族の絆の強さを改めて感じました。そして、どんな状況でも誠実でありたいと思っています。
将来、私が憧れているのは、動物のために一生懸命働いている獣医さんや、動物保護活動をしている方々です。私もいつか、動物たちの役に立てるような仕事をしたいという夢を諦めていません。今はまだ遠い道のりかもしれませんが、日本での生活を基盤に、少しずつでもその夢に近づけるように努力していきたいと思っています。
これが、私のまだ短いけれど、様々な出来事と感情が詰まった自分史です。これからも、家族を大切に、正直に生き、いつか自分の夢を叶えられるように、前向きに進んでいきたいと思っています。

インタビュー

人生一番の成功はなんですか ?

日本に来て、初めて自分の力で稼いだお金を家族に送金できたことだと思います。金額は決して多くはありませんでしたが、ミャンマーで待っている母や弟妹たちの生活を少しでも支えることができたという実感が、何よりも大きな喜びでした。言葉も文化も分からない異国の地で、必死に働き、その成果を故郷の家族に届けられたことは、私にとって人生で一番の成功体験です。

人生一番の成功から学んだことはなんですか ?

どんなに困難な状況でも、諦めずに努力し続ければ、必ず道は開けるということです。日本に来た当初は、言葉も通じず、仕事も思うようにできず、何度も心が折れそうになりました。しかし、「家族のために」という強い思いがあったからこそ、壁を乗り越え、初めての給料を手にした時の達成感は忘れられません。この経験から、強い意志と努力があれば、不可能に思えることでも成し遂げられると学びました。

人生一番の失敗はなんですか ?

日本に来て間もない頃、まだ日本語が理解できていなかったために、仕事で大きなミスをしてしまったことです。先輩に指示された内容を誤って解釈し、車の部品を間違って取り付けてしまいました。そのせいで、修理が遅れてしまい、お客様にも迷惑をかけてしまいました。

人生一番の失敗から学んだことはなんですか ?

言葉の壁がある中で仕事をする際には、どんな小さなことでも、理解できるまでしっかりと確認することの重要性を痛感しました。自分の曖昧な理解で判断するのではなく、相手に確認する勇気を持つこと、そして、もし間違ってしまったら、素直に謝罪し、責任を持って対応することの大切さを学びました。この失敗以来、私はどんな指示に対しても、納得いくまで質問するように心がけています。

人生で一番大切にしている価値観はなにか ?

家族を大切にすること、そして正直であることです。

なぜそれを人生の価値観と考えましたか ?

父が亡くなったことで、家族の絆の強さと大切さを改めて深く感じました。残された母と弟妹たちのことを考えると、私が頑張らなければならないという強い思いが湧き上がってきます。また、幼い頃から、嘘やごまかしは嫌いでした。正直であることは、人との信頼関係を築く上で最も重要なことだと信じています。父も生前、私たち兄弟に「 正直であれ」と教えてくれていました。

人生で一番大切にしている価値観をもった具体的なエピソードはなんですか ?

日本に来て、言葉がうまく通じず、先輩に誤解されて叱られたことがありました。その時、私は自分の言葉で一生懸命に事情を説明しようとしましたが、なかなか理解してもらえませんでした。それでも、私は嘘をついたり、言い訳をしたりせずに、自分の知っている限りの日本語で、正直に状況を伝え続けました。最終的には、私の誠実な態度が伝わり、先輩も誤解を解いて謝ってくれました。この経験を通して、どんなに困難な状況でも、正直であることの大切さを改めて実感しました。言葉が不自由な私にとって、正直さは相手に理解してもらうための最も大切な武器だと感じています。

これからやりたい夢や目標はなんですか ?

まずは、もっと日本語を話せるようになることです。仕事で困らないだけでなく、日本の文化をもっと深く理解し、日本人の方々ともっとコミュニケーションを取りたいと思っています。そして、車の整備士としての技術を向上させ、一人前の整備士として認められるようになりたいです。将来的には、自分の稼ぎで家族を日本に呼び寄せ、一緒に暮らすことが私の最大の夢です。そして、いつか、動物が好きだった子供の頃の夢を諦めずに、何らかの形で動物に関わる仕事ができたら、本当に幸せだと思います。

読者へのメッセージみなさんへのメッセージ

困難に立ち向かう時、一番大切なのは諦めない心だと思います。言葉や文化の壁、予期せぬ出来事など、人生には様々な 壁が待ち受けていますが、自分の目標をしっかりと持ち、前向きに努力し続ければ、必ず道は開けると信じています。そして、家族や大切な人との繋がりを大切にしてください。彼らの存在は、どんな場面でも、私たちに勇気と希望を与えてくれます。私もまだまだ学ぶべきことがありますが、皆さんと一緒に、それぞれの夢に向かって頑張っていきたいと思っています。

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